「親父の記憶を辿って」
・・・毎度。
オイラの親父は昭和10年生まれで、幼少時代に太平洋戦争を体験しています。
不謹慎かもしれませんけどオイラは昔から太平洋戦争に興味がありましてね、今ではYoutubeなどでも当時のドキュメントフィルムを見る事が出来ますからたまに見たりするんですけど、パソコンなどなかった頃は親父の昔話を聞くのが好きだったんです。
そんな親父の戦争体験談の中で「9~10歳の春先に、春日井方面の上空でB-29が火を噴いて墜落していくのを皆で万歳しながら見ていた・・・」と聞いた事があるんです。それをなぜか最近思い出しましてねぇ・・・
何気なくパソコンで調べてみたんですけど、いろいろと解ってきました。
親父が墜落を見たのは9~10歳の頃だったらしいので、その頃に本土爆撃の為にやってきたB-29を調べてみたんですけど、びっくりする数のB-29が墜落しておりました。
しかし親父が9歳だった1944年には近辺での墜落記録はありませんでした。そうすると翌年の1945年の春先ですよ、3月~5月の間、しかも親父が住んでいたのは多治見だったんですけど、近所の山の上から名古屋を見た方向で墜落したB-29は全部で7機だったんです。
1945年
3月24日 スターダスター
高射砲弾命中により、右翼炎上、愛知県愛知郡長久手村-井高村間に墜落爆発。
3月25日 ティーザー
高射砲第124聯隊第2大隊第11小隊の砲撃により尾部を直撃され、名古屋市昭和区御器所4丁目24番地の民家に墜落
3月25日 フェイ
名古屋市上空で高射砲弾直撃により空中爆発、名古屋市瑞穂区に墜落
3月25日 リルズオーディーンⅡ
名古屋市上空で高射砲弾直撃により、東春日井郡守山町に墜落
4月7日 シティーオブマンシー
名古屋上空で陸軍飛行第五戦隊の加藤政之伍長操縦の(辻本馨少尉同乗)の屠竜が体当たり、機体は空中爆発し、前半部が千種区茶屋ヶ坂の高射砲第125聯隊本部に、後中部は猪高の丘陵に墜落
4月7日 #42-69669
名古屋上空で高射砲弾が左翼を直撃、垂直落下
5月14日 #44-70017
名古屋上空で第2エンジン発火次いで左翼崩落、2つに割れ炎上を続ける市街へ落下
以上、7機の墜落状況と親父の証言を照らし合わせてみます。
まずは“B-29が火を噴いて墜落していくのを皆で万歳しながら見ていた・・・”という訳ですから、
3月25日 フェイ 空中爆発
4月7日 シティーオブマンシー 空中爆発
5月14日 #44-70017 2つに割れ落下
この3機は墜落前に原型を留めていない為、該当しません。
そして「4月7日 #42-69669」の墜落状況です。
墜落現場は守山区ですが、親父曰く“垂直落下”ではなかった為、こちらも該当しないと思われます。
残るは3月24日と25日の間に墜落した“スターダスター、ティーザー、リルズオーディーンⅡ”の3機。
残念ながらリルズオーディーンⅡの画像は見つかりませんでしたが、親父が見たB-29はオイラが思うにリルズオーディーンⅡの可能性が高いと思いました。
親父の証言では“春日井方面の上空”と明確に記憶しており、それだけに機体が墜落していく様をハッキリと見ている事から、かなり近い位置で見ていたんだと思います。
スターダスターが墜落した長久手村(現在の長久手町)は春日井方向としては少し東に外れており、昭和区御器所に墜落したティーザーだと方向的には合っていますが、春日井上空からは距離がありますので・・・
オイラの勝手な見解なので正確なデータとは思わないで下さい。
ただ戦争を経験していないオイラにとっては親父の経験した戦争が一番身近に感じる事の出来る貴重な実話として大切にしたいと思っています。
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