22/06/02
あー暑い・・・・毎度。
暑いねー、暑いわ。うん、暑い。この暑い中さー、オイラずぅ~っとギターの色剥ぎやっとるんやて!!
もうねぇ、20分おきにヘトヘトになって休憩ですわ。エピフォンのエクスプローラーなんやけど、恐ろしく塗装が厚いのだよ。こんなに厚くする必要あるかって言うほど厚いんだなこれが。昔いたギター工場を思い出しますよ・・・・・・
オイラは某ギター工場にいた事があるんだけど、そこでオイラは”塗装2″という部署におりました。ここは着色・クリアー塗装を終えたギターの塗装表面を”ベルトサンダー”と言う馬鹿でかいサンドペーパーの化け物みたいな機械を使って600番研磨をする所なのです。その機械には各ボディシェイプに合わせたジグを取り付けて作業をするんだけど、ここで問題だったのが”塗装1″と言ういわゆる塗装ブースで誰が塗装したボディがオイラの所に来るかです。
作業員によって吹き付ける癖があるんですよ。一番良いパターンはオイラの連れが吹いた物。ソイツはオイラと同じギターの専門学校に行っていたヤツなのでギターの事が解っている作業員。だから必要以上に吹き付けません。しかも塗装の厚みも均一です。こういう状態ならオイラの工程も作業しやすいんです。”サッサッサー”ってな感じで塗装面をなぞる様にサンダーをかければロスなく綺麗に仕上がり、次の800番研磨へと進んでいくんですよ。ところがですよ、係長が吹き付けたボディが物凄いんです!!悪い言い方ですが、田舎のオッサンがたまたまギター工場に居るって感じで、どうせ次の工程でサンダーをかけるならサンダーで色が剥げない方が良いからと、それはもうドップリと吹き付けるんです。吹き付けるというか、バケツいっぱいの塗料をギターに向かってぶちまけているんじゃないかと言う位の豪快な塗装ぶり!!だって塗装が終わるとボディをハンガーに掛けて吊り下げておくんだけど、係長仕様のボディは全てボディの下にツララが垂れ下がっておりましたから!!
こんな冷凍庫から出て来た様なツララボディは、もちろんベルトサンダーにはこのままだと乗りません。・・・・・ハイ、ツララを鉄鋼用金属ヤスリで削り落とします!!
ツララを取り除けば問題解決と思っているあなた、考えが甘いです。ツララが出来ると言う事は、吹き付けた塗料が地球の引力に負けていると言う事です。わかりますよね?ツララが伸びながら硬化していくので、ボディの上の塗料も引きずり下ろしてしまうんですよ!!結果、ボディのネックポケット・カッタウェイ付近の塗装は恐ろしく薄い!!だから本当の勝負はツララを取った後のベルトサンダーで研磨する時なんです。機械に取り付けたサンドペーパーの化け物が猛スピードで回る下にボディを置き、手に持ったパッドでサンドペーパーの化け物を引っ張ってボディに接触させる事で研磨するので一瞬で研磨されてしまうんですよ。どうだろ、ストラトのボディトップ研磨が40秒くらいですよ。だから失敗する時も一瞬です!!均一に吹きつけされていない係長仕様のボディは導火線のないダイナマイトそのもの!!一瞬で木地ですわ。失敗すればオイラが怒られるし、成功してもオイラの次に800番研磨することも考えてオイラは削りすぎてはいけないんですよ、むちゃくちゃですよねぇ。
この他にもショッキングな事が沢山あったので工場を辞めてギター修理の道へと進んだ訳なんです。まぁいいや、こんな話は。エクスプローラーの続きをやってくるかぁー。最後に癒される画像をどうぞ!!
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