22/09/08

毎度。

HSアンダーソン/マッドキャット

このギター知ってますか?・・・・・このギターはHSアンダーソンのマッドキャットと言いまして、70年代の日本製なんです。塗装は何とニスなんですよ!!これがねぇ、あのプリンスが使用した事で一気にプレミアムなギターになっちゃったんです。そんな珍しいギターが修理に入ってきました。ハムノイズを恐ろしく拾うものですから、ピックアップのポッティング(蝋付け)処理&導電処理を行う事になりました。
それでは始めましょ!!

ピックアップまずはピックアップを外しました・・・・・・ビックリ。コイル剥き出しの蝋付けなんてナニ?って感じのマイクが出てきました!!こいつはオイラの秘密兵器が役に立つぞ~。
取り合えず先にボディのキャビティ内に導電塗料を塗っちゃって・・・・・乾燥中にピックアップのポッティングに入ります!!

このポッティングに使う秘密兵器をですねぇ、オイラ作ったんですよ。それがこちら・・・・

BELLオリジナル"ポッティングマッスィ~ン"

ジャジャーン!!ポッティングマッスィ~ン♪♪

これね、元は電気鍋なんです。温度調整が出来る物をいろいろ探しているうちに丁度いいコイツを発見!!即購入したんです。でもねぇ、これだけではダメなんですよ!!コイツを完成するまでには、オイラの涙ぐましい努力があったんですよ・・・・・・

本来のポッティングマシーンは、それこそ工場にしかない様な大型の物で、当然オーダーして作ってもらうには高すぎるってもんじゃないですよ!!ですから、もっと簡単にピックアップの蝋付けをオイラの店でも出来ないかと考えまして、いろいろと探していたんです。最初は”コンロに鍋”という所から考えたんですけど、ピックアップのポッティングに向く条件として
・温度調節が可能
・釜の中を真空に近い状態に出来る
・温度が分かる

・・・この三点をクリアーしなければいけません。そしてポッティングに使用する蝋にも条件がありました。
・融点が低い
・ゆっくりと固まる

・・・この二点です。まずはこの電気鍋を見つけました!!これを改造して三点クリアーを目指しましたよ。
ワインの空気抜きまずは真空にする為に、ワインの保存に使用するポンプ式の真空器を取り付けます。しかし、鍋のフタがガラス製でしたので別の鍋蓋をリサイズして電気鍋とドッキング!!そこに穴をあけてポンプの取り付け口を設置しました。

真空計温度計そして、真空計と温度計もセットし、エアー漏れの部分にはコーキングを施して見事完成!!いやー大変でしたけど何とか出来ましたよ。

そして残った問題が使用する蝋です。よく普通の白いロウソクを使う人もいますけど、これはヤバいんですよ。普通の白いロウソクは、融点が高いので、プラスチックボビンのマイクですと蝋より先にマイクが変形してしまう恐れがあるんです。

そこてオイラは考えました・・・・・・・・・・・ソフトSM用ロウソクです!!

これならソフトSM用だから熱くないだろうと勝手に解釈しまして早速ネット検索しましたよ・・・・・・・
待っていたのは驚きの結果でした。ソフトSM用のロウソクはですねぇ、別に温度が低い訳ではなかったんですよ!!融点は普通のロウソクと変らないのですが、普通のロウソクよりも固まるスピードが早いそうなんです・・・・・・なるほど、女王様にロウソクをボタボタとかけられても、熱いのは一瞬。すぐに固まって、余り熱く感じないのか・・・・とオイラ、感心しました。ちゅーか、感心している場合ではありません!!一瞬にして固まるって事はピックアップのコイルが断線してしまう可能性が高いんですよ!!急に縮みますからねぇ。まぁ、そんなことよりもロウソクの色が赤やら紫やら普通の物がなくて、しかも恐ろしくデカイ!!
そこからいろいろと調べましたよ。そうしましたら見つけました!!バッチリな物。蝋細工やエステなどで使われる”パラフィンワックス”です。これは融点も低く、固まるスピードも遅い。そして驚きの能力が解ったんです!!何とノイズを抑える効果もあるのです・・・・・そしてようやく数年前に全ての条件をクリアーした設備が整いました。

すっかり作業工程を紹介せず、長々と自慢話をしてしまいましたね・・・自慢したかったんです!!
まぁ、作業は簡単。温度を適度にセットして鍋の中にピックアップを沈めて蓋をして空気を抜いてギター弾いて遊んどる間に終了ですわ!!
そして組み込んだマッドキャットのノイズは・・・・・・・・・バッチリ。普通に使用できるレベルまで減らす事が出来ました!!

こうやってね、リペアーマンは自分で使う道具も自分で作ったり改造したりしてるんですよ。

ポッティング終了

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